
長期修繕計画とは?
形あるものは経年により劣化し、そのまま放置しておくと、いつかは朽ちます。戸建もマンションも作りたての新築時はピカピカですが、見方を変えると、作られたその日から劣化現象は始まり、日々、進行しているのです。コンクリートも鉄もしかり。
そのため、建物の機能や資産価値を維持するためには適切な時期に手入れをしなければなりません。朽ちるまで何もメンテナンスせずにいるというのも一つの考え方ですが、やはりボロボロだと中古で売りに出した際に買い手がつかない(不動産の流動性の低下=資産価値低下)ことになるでしょうし、雨漏りしているのでは、やはり快適に生活することはできません。
つまり、このような考えのもとに、予め修繕の部位や修繕周期をある程度予測し、修繕の計画とそれらの修繕に備えるお金をどのように担保するかを計画するのが長期修繕計画です。
マンションも備えあれば憂いなし

『備えあれば憂いなし』
「将来的に修繕を行わなければならない、その時にはお金が必要だ。」このことは、建った瞬間から分かっていることです。
「マンションは管理で買え」と言われる時代ですが、マンションを購入する際には、こうした所もチェックが必要です。マンションの購入時には、売買価格、手数料、税金等の費用がかかりますが、将来的な修繕コストの支払いも確定されることになります。
将来的な修繕は、家計、資産に及ぼす影響も大きく、こうした視点で見るとマンションにおいては如何に長期修繕計画が重要なツールであるかが認識できます
マンション管理士等でも出題されますので、こうした視点でイメージしてから学習するのが理解を深めるために効果的です。
マンション管理士等でも出題されますので、こうした視点でイメージしてから学習するのが理解を深めるために効果的です。
長期修繕計画ガイドラインとは
長期修繕計画ガイドラインとは、国土交通省が平成20年に作成した長期修繕計画に関する指針・標準書式のことです。国土交通省は、次のコメントを発表しています。
【国土交通省】
マンションの快適な居住環境を確保し、資産価値の維持・向上を図るためには、建物の経年劣化に対応した適時適切な修繕工事を行うことが重要です。そのためには、適切な長期修繕計画を作成し、それに基づいた修繕積立金の額の設定を行うことが不可欠です。しかし、長期修繕計画をどのような様式により作成するのかは、これまで定まったものはありませんでした。(後略)
これまで説明しているように、長期修繕計画はマンションにおける非常に重要な存在でありましたが、標準的な様式等がなく、作成者によって様式等は様々でありました。
これらのことを解消するためにも国土交通省で作成、公表されたのが、長期修繕計画ガイドラインです。