
マンションの会計って
1棟のマンションを適正に維持・管理するためには、様々な費用が発生します。ここで対象となるのは、マンション共用部分の管理に要する諸経費が対象で、専有部分の維持管理に係る電気・ガス・水道代やリフォーム代等の費用は対象外となります。
マンションの会計というと、組合員からお金を徴収して経費を支払うようなことから(出納)、滞納者への督促、収入・支出状況の把握、各種帳簿の作成(会計)に至るまで、お金に関する幅広い意味合いをもっています。
マンションの場合、複数の区分所有者でお金を出し合って、みんなの共有財産(=共用部分)を管理しますので、みんなのお金がどういった目的で、どのように使われているのかをちゃんと管理して、財産の状況を透明にし、情報の共有化を図る必要があります。
例えば、廊下の天井には照明があり電気代がかかりますし、電球が切れたら電球を買って交換をしないといけません。エレベーターを動かすにしても電気代や定期的な点検費用も必要になってきます。
昨今、管理組合の理事長が修繕積立金を着服する等、残念なニュースも目にすることがありますが、マンションではお金の管理をどのように行なっているのでしょうか。
家計に例えると(目的別会計)

分かり易くするために、家計になぞらえて考えてみます。家計でも複数の口座を保有して財産の状況を把握し易くするように、マンションの会計もそれぞれの用途に応じて区分して管理しています。マンションの会計をを大きく分けると次のようになります。
①日常的にやりくりするための会計(一般会計=管理費会計)
②将来的な修繕に備えるための会計(特別会計=修繕積立金会計)
サラリーマン家庭の場合、給与を受け取り、その一部を預貯金に回す場合は、給与の受取口座と預貯金の口座は別々に管理した方が分かりやすいと考えられます。月々の食費や光熱費、クレジットカードの支払等は給与受取口座でやりくりして、毎月2万円を貯蓄しようと決めている場合は、預貯金口座に2万円を振り替えて管理した方が財産の状況がより分かりやすくなります。
マンションに置き換えると、月々のランニングコスト(維持管理費)を支払うために「管理費」という項目で徴収し、将来の修繕に備える費用として「修繕積立金」を徴収します。いずれも管理組合の収入となりますが、全く性質の異なるお金ですので、その目的別に財産を区分して管理しています。
◆一般会計
【収入】の例 ・管理費
・駐車場等の使用料
・預金利息
・etc…
【支出】の例 ・管理会社に業務委託をしている場合は、管理委託費。
・共用部分の電気代、水道代。
・管理人の費用。
(管理委託費に含まれる場合あり)
・各種設備のメンテナンス費用。
(管理委託費に含まれる場合あり)
・共用部分の損害保険料。
・日常的に行なう共用部分の修繕費用。
・消耗品等の購入費用。
・管理組合の会議費用等の組合運営諸経費。
・備品の購入費用。
・etc…
◆ 修繕積立金会計
【収入】の例 ・修繕積立金
・預金利息
・etc…
【支出】の例 ・定期的な鉄部の塗装費用。
・外壁等を補修する大規模修繕工事の費用。
・etc…